オンライン英会話ビズメイツ 提供価値の再定義
サービスサイトおよびLPの再設計に、業務委託として参画し、構成設計を担当しました。
初期のご依頼はサイトトップの改修でしたが、現状分析を進めるなかで、課題はUIレイヤーではなく、その上流にあると判断しました。サービスラインナップの拡張と情報量の増加、価格改定といった内部要因に加え、AI英会話サービスの普及による「まず試す」行動の一般化という外部要因が重なり、何を優先して伝えるかの判断基準が組織内で共有されていない状態でした。結果として、ユーザー側では「自分にどれが適しているか」の判断がつかず、社内でもサービスの説明に揺れが生じていました。
そのため、個別施策の改善ではなく、まず現状の可視化と構造整理から着手しています。そのうえで、バリュープロポジションの再定義、チャネル別のコミュニケーション設計、情報設計を行いました。
本プロジェクトにおいて、ビジュアルデザインの実制作は担当していません。デザインはクライアント社内のデザインチームが担当し、私は構成設計とデザイン要件の策定を行っています。
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/ Client
ビズメイツ株式会社
担当:現状分析 / バリュープロポジションの再定義 / 情報設計 / 構成設計 / デザイン要件の策定
体制:デザイン実制作・実装はクライアント社内チームが担当
※ 成果物の特性上、掲載する画像には一部マスク処理を施しています。
担当していた業務
現状の可視化と構造整理 ── 接点とLPの全体像を俯瞰し、「どこに手を入れるか」の議論の土台をつくる
バリュープロポジションの再定義 ── 3サービスを貫く価値を明文化し、今後の判断基準として残す
チャネル別のコミュニケーション設計 ── サイトとLPを役割で分離して設計する
構成設計・ライティング・デザイン要件の策定 ── ワイヤーと実際に使うコピーで構成をつくり、ビジュアル表現はデザイナーに委ねる
一部イメージ:課題の構造化と価値の再定義
現状の可視化と構造整理
改善方針を決める前に、現状を俯瞰できる状態に整理しました。広告・UGC・サポート・講師と接点は多層的にあるのに、その接続が可視化されておらず、複数のLPも属人的に運用されている状態でした。
可視化そのものが目的ではありません。ステークホルダーが同じ全体像を共有し、「どこに手を入れるか」の議論が成立する土台を作ることが目的です。
バリュープロポジションの再定義
3つのサービス(初心者パッケージ/オンライン英会話/Coaching)の対象ユーザーと提供価値を再定義しました。社内では自明でも、外部からはサービス間の関係性が読み取れず、社内でも説明に揺れがある状態でした。
商品名で並列に並べるのではなく、全サービスを貫通する最上位概念を明文化し、ユーザーの習熟段階を軸にポートフォリオを組み直しています。この定義は、サイト構成だけでなく今後の施策の判断基準として機能させるため、独立したドキュメントとして納品しました。
チャネル別のコミュニケーション設計
当初は「LPで検証済みの要素をサイトへ展開する」プロセスを想定していましたが、検討のなかで方針を変えています。サイトはブランド理解と信頼形成を担う中長期の資産、LPは短期のCVR向上と、役割が異なる。統合すると一方に負荷が集中し、根本の構造整理に至らないまま行き詰まると判断しました。
役割を分離したうえで、トーン・構成・アクセシビリティの優先度をそれぞれ個別に定義しています。
一部イメージ:構成設計とデザイン要件の策定
サイトトップ、LP、下層ページのワイヤーフレームを作成し、各セクションに担う役割と誘導したい行動を注記しました。実際に画面に載るコピーも、このなかで書いています。機能訴求に寄っていた既存の文言を、便益が伝わる言葉に書き換えました。あわせて、レイアウト・タイポグラフィ・アクセシビリティ・CTA設計・レスポンシブ対応について、デザインチーム向けの要件を策定しています。
構成と言葉はこちらで固め、ビジュアル表現はデザイナーの裁量としています。要件は判断基準として共有したもので、レイアウトや見せ方の具体はデザイナーに委ねました。
サイトの課題としてご相談を受けたものが、進行するなかで、事業のコミュニケーション設計の課題として立ち上がってきたプロジェクトでした。
運用期間の長いサービスほど、社内で自明とされている前提を、外部に向けて言語化する機会がありません。今回はその言語化から着手しています。
途中で方針を変更した場面もあります。当初想定していたアプローチでは、根本の構造整理に至らないまま行き詰まるリスクが高いと判断し、順序を組み替えました。判断の理由を含めて資料化し、合意を得たうえで進めています。
提案時にお伝えしたのは、目指しているのは「強く伝える」ことではなく「正しく伝わる」ことだ、という点でした。訴求を強化すれば短期的に数値は動きますが、価値の核が定義されていなければ、想起には至りません。
ビジュアルデザインを担当していないぶん、設計意図の伝達に工数を割いています。ワイヤーフレームは構成を示すものであり表現を規定するものではない、という前提を最初に共有し、レイアウトや表現はデザイナーの判断を尊重する形で進行しました。結果として、こちらの想定を超えるアウトプットが返ってきた箇所も複数あります。
残したかったのは、サイトそのものよりも、今後の判断に使える軸のほうです。施策を検討する際に立ち返れる定義があれば、私が離れたあとも機能します。

